ante | アンテ は、現在準備中です。

2020/04/25 20:10

世代を渡って受け継がれる手仕事には、素朴さと繊細さが織り交ざった美しさがあります。手仕事のモノにはどこか温かさと気品があって、身に着けたときになんともいえない着心地の良さが体を包みます。




▼ はじめに、なぜこのアイテムを紹介する理由を教えてください。


ベトナムには54の民族が暮らしていますが、約9割がキン族、残りの1割が53の少数民族です。少数民族は民族ごと、住む地域ごとに衣食住の異なる文化があります。少数民族の文化の中でも特に私が惹かれているのはその衣装です。ベトナムには「モン族(H'mong)」という少数民族がいますが、モン族は中国南部の貴州省や雲南省の苗族(ミャオ族)の支系と言われています。ラオスやタイ、ミャンマーにも同族がいます。山の上に住居を構え、山を耕しながら、自然とともに生きるモン族は、祈りや願いが込められた模様が描かれた素晴らしい衣服を纏っています。綿や麻、藍を育て、手紡ぎ、手織りで布をつくり、藍染、ろうけつ染を何回も繰り返し、果てしない時間をかけて刺繍を施す。しかしながら昨今では、安価でつくる手間のかからない化学繊維のプリント生地が主流となり、その伝統的な技術は廃れつつあります。実際に昔ながらの製法で作れるのは村でも「達人のおばあちゃんだけ」という現状です。






祈りを込めた衣服を身につけなくても、薬が病気を治してくれる。薬を買うためには現金を稼がなくてはならない。何時間も途方もない時間をかけて衣服をつくるのは非効率...。

安価で洗濯もしやすく、軽くて着やすい衣服に変わっていくのは仕方のないこと。それでも少数民族が代々受け継ぐその祈りを込めた布が好きでずっと絶えずに続いてほしいと願う。そんな想いを込めて、少数民族の村でつくられた布を彼らから適正な価格で直接買い取り、洋服やアクセサリーなどをつくっています。





▼ このアイテムのおすすめポイントは何ですか?(使い方の具体例やディテールなど)

昔ながらのモン族の布をワンピースに取り入れている点です。ベトナムの伝統衣装アオザイのハイネック、横スリットのデザインを取り入れ、スリット部分にあえてモン族の布をのぞかせています。後ろのくるみボタンもモン族の布でひとつひとつハンドメイドでつくっています。またモン族の布は1点1点が手仕事品で同じ文様のものがありませんので、すべてが1点ものです。







▼ このアイテムをどんな人にどんなふうに使って欲しいか教えてください。

今は新型コロナウイルスの影響で、世界が不穏な空気に包まれていますが、この商品を着ることで少しでも何かほっこりした気持ちになってもらえたら。山で自然とともに暮らす少数民族が誰かを想って手仕事で果てしない時間をかけてつくりあげた布が誰かの心に添えるものであってほしいと思います。

▼ 最後に結びの言葉をお願いします。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。お手にとっていただいたとき、ベトナムの空気、風を感じていただけたらうれしいです。手仕事とサスティナビリティを大切にしたものづくりをベトナムで続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。